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ミーアさんは、口を閉じ、
静かにリアムを見つめる。
驚くほど、真っすぐで、真剣なまなざし。
やっぱり、この人、顔、整ってるな。
なぜか反射的にそう思った。
「……わかったわ。わかった」
彼女は観念したかのように短い溜息をつき、長い髪の毛をサッと振り払う。
そして私に向き直ると、言った。
「見てなさい、お姫様。
数々の男をその気にさせて
生き抜いてきた、私の技を。
必ず、勇者を説得してみせる」
口角をキュッと上げるミーアさん。
強い女性なんだな。
かっこいいな。
外見だけじゃない、魅力。
街中の人が、
なぜミーアさんの虜になるのか、
少しわかった気がした。
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