クロードという男

4/28
763人が本棚に入れています
本棚に追加
/680ページ
こちらが返事をするより早く。 「ハロー!!待った?待った? 愛しのミーアちゃ~ん!!!」 ドアが開くと同時に、 ピリリとした空気を 一瞬でぶち壊すような ふざけた声が響いた。 勇者をここまで案内してきた店員は、 苦笑いをしながら そっとドアを閉め、退室していった。 「ってあれ?ミーアちゃんだけじゃないの?」 キョトンと立ち尽くす勇者。 私は挨拶しようと腰をもち上げる、も、 リアムに頭を押され込まれ、立ち上がれず。 代わりに腰を上げたリアムが 深々とお辞儀をした。 「勇者クロード様。 先日はどうも失礼をいたしました。 このたび、改めて魔王討伐のお願いをしたく ミーア様にもご協力いただき この場を設定した次第です」 それを聞くやいなや、 みるみる勇者の顔色が変わる。
/680ページ

最初のコメントを投稿しよう!