クロードという男

23/28

765人が本棚に入れています
本棚に追加
/680ページ
目覚め、寝転びながら背伸びする。 夢のせいか、目覚めはすこぶる悪い。 「姫」 まどぼんやりとした眼を擦りながら振り向くと、そこにはベッドの脇に佇むリアムの姿。 また、なんか怒られるのかなと思いきや。 「……昨夜は、申し訳ございませんでした。無礼が過ぎました」 そう言って、深く腰を曲げる。 あれ、私まだ夢でも観てるのかな。 あのリアムが私に頭下げてるなんて。 私は恐る恐る、自分のほっぺをつねってみる。 ……痛い。 「……く、くだらないことをしていないで、さ、朝食を食べに行きますよ」 リアムは少し顔を赤らめながらも、プイッと横を向き、そのままそそくさと部屋を出ていってしまった。 リアムに謝られた。 なんか、不思議な感じた。 私はしばらく、ベッドの上でボーゼンとしていた。
/680ページ

最初のコメントを投稿しよう!

765人が本棚に入れています
本棚に追加