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「なんでって、いや、ミーアさんってその……リアムの彼女なんでしょ?」
「彼女?あぁ、忘れてたわ、その設定」
「設定!!!!?」
一人大声を上げる私。
リアムが怪訝そうに私達を睨む。
「えぇ。私てっきり、この執事さん、あんたと深い関係なんだと、思ってたのよ。だから奪いたかったのよね。苦労知らずのお姫さまがイチバン大切にしているものを。
ほら、私ってずっと、奪われる側の人間だったから。社会にプチ復讐みたいな?
でもあんた、別に悔しそうな素振りもみせないし、何だ、ただのフツーの執事なんだ、と思って。そーなると、面白くないじゃない?
だからもう、どうでもいい」
そう言って髪を振り払うミーアさん。
ってえええ!そんな理由でリアムを?!
っていうか、深い関係って、どういう関係?!
「そんなことだろうと思っていた」
呆れ顔のリアム。
そうこうしてる間に、馬車がやってきた。
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