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そんな彼らを、和尚は大きなテーブルの下から次々と丸椅子を引き出して、どこか嬉しそうに誘う。 「とにかく、みんなお掛け。 朝食を囲みながら、ゆっくりと話を聞くとしようじゃないか」 そこに、 「おはようご……」 のっそりと徳鎮が現れたと思うと、大きな体が入り口でギクリと凍りついた。そして、にわかに踵を返しかける。 「逃げても仕方がないよ、徳鎮さん」 老和尚のおっとりとした呼びかけに、徳鎮の動きが止まった。 そして、視線を俯かせ、おずおずとした態で戻ってくる。 「もうお前さんは、予告を受けてしまったんだから。 逃げていても、彼らは消えてはくれないよ」 腹を括りなさい。 諭された徳鎮は、大きな肩を落として、とぼとぼとテーブルにつく。 そんな彼らの目の前に、絵実は用意をした朝食を次々と並べた。 「いいですねぇ。 卵焼きに煮っ転がし、あとは熱々の味噌汁と白いご飯。 あぁ、美しき日本の朝食です」 宗太郎が、どこか懐かしそうに目を細めてしみじみと言う。ところが――。 「えっ……?」 当たり前のような顔をした絵実の手で、目の前に味噌汁と熱々の飯を置かれたお吉が、戸惑いを浮べた時だった。
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