1. 事件のはじまり

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きっと、これ以外の悪事を世の中にさらしたら組織が危ういと判断して、手を下したのだろう。 直接、とは限らないが。 そして圧力をかけて、事故として処理させたのだ。 これらの事は、虹輝の想像に過ぎないのだが、虹輝は憎んでいた。いや、恨んでいた。 不正を、不正でもみ消していく、警察組織を。 両親の裁判に負け、追うように祖母が亡くなってしまってから、叔母夫妻のもとで暮らしているのだが、 叔母の夫の浮気が発覚してから、離婚寸前で、もともとさんざんな扱いを受けていた虹輝は、さらにひどい目にあっていた。 開き直った叔父は、もう1週間も帰って来ていないし、叔母も、深夜1時をまわった頃に、酔って帰って来ればまだ良い方で昨日は帰って来なかった。 毎月、小学4年生にしては多すぎる額のお小遣いを渡して、家事の一つもしない。 おかげで、毎日のようにコンビニ弁当を食べて、小腹がすけばパンをかじる生活をしていた。
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