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抽選が行われた体育館は、ザワザワと騒がしかった。
さらに10日ほど過ぎた。今日の二校時は、学活。
教室のスクリーンに、全世界共通で、当選番号を決める所を生放送される番組が映しだされていた。
例の資産家の子孫である少女三人と、少年二人が、ダーツのボードの前で、矢を持って立っている。
ボードは、0から9までの数字がそれぞれ書かれていて、それを回転させた。
ボードは10つ、すなわち一人二回なげる事になる。
一の位の少女が投げ、ボードの回転が少しずつ遅くなり、ダーツの矢が見えてきた。
4か、5か、それとも6か…。ついに回転がほぼ止まり、司会者がマイクを口に近づける。
「5」クラスから、悲鳴と歓声が同時に響く。
次に十の位の少年が投げ、司会者が数字を告げるとともに、悲鳴が上がった。
外れた児童達は、もうどうでも良くなったかの様にそれぞれに話し出した。
しかし虹輝の心臓は、大きく波打った。今にも飛び出しそうなくらいだった。
告げられた数字は、「3」だった。
次に百の位の少女が…。スクリーンから出た数字に、耳がおかしくなったのかとか思った。
耳がおかしくなければ、百の位は、「2」だった。
これまでに、こんなに緊張した事があるだろうか。
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