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目の前を歩くのは大きなリボンを着けた女の子。
彼女が歩くたびに揺れるリボンが可愛い。
「まだ食べるの?」
「まだ余裕ですー。あ、食べる?」
美味しそうに手元のパンにかじりつく姿に、僕は声を出さずに笑った。
差し出されたパンに僕は首を横にふった。
間接キスになるだなんて、彼女は思いもしないんだろうなぁ。
昔は当たり前のようにしていた行為に恥ずかしさを覚えたのはいつからだっただろうか。
彼女を意識するようになってから、いろいろと変わってしまった。
良い意味でも、悪い意味でも。
それでもいつかは彼女とまた以前の様になれたらいいな、と思う。
お互いの関係の呼び名が、「ただの幼なじみ」から「恋人」に変わることを期待し続けて。
END
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