1人が本棚に入れています
本棚に追加
「てかお前、どうやったらそんな点取れるんだよ。」
比較的簡単だったこのテスト。
平均点も65点である。
「え~と……勉強しなかったから?」
「いや、普通に授業を受けていれば7割は取れるぞ。」
あ、まさか……。
「あー、私、授業中寝てた。」
「はぁ……やっぱり。」
授業中に寝る、とか。
やっぱり此奴は馬鹿である。
「何で寝るんだよ。流石にヤバい、って分かってるだろ?」
「そりゃ、勿論。でもさ、先生の声って子守唄じゃない?不可抵抗力だよ、これは。」
なんて呑気なんだ、此奴は。
キョトン、としてるけど、これじゃ赤点まっしぐらだぞ。
「燈ちゃん、お疲れ様~。」
「お、こころん!ほんと、お疲れだよ……。」
こころん、こと佐倉紅衣さくらこころ。
米澤と一緒に俺に付きまとってくる1人だ。
「大丈夫だよ~。燈ちゃんなら頑張れば出来るよ。」
佐倉は米澤にとてつもなく甘い。
まぁ、励ますのはいいんだけどな。
「こころーん!やっぱり持つべきものは友だね!」
「そう言えば、佐倉は何点だったんだ?」
「ん~?えっとね、100点だよ~。」
流石、秀才。
「こころん……。さっきのが嫌味にしか聞こえなくなったよ。」
さっきまでの笑顔は何処に行ったんだ。
まぁ、あの馬鹿とは違い、しっかり授業も受けてたしな。
「米澤、お前もしっかり勉強すればいいだけだと。」
「……でもさ!もう終わっちゃった事はどうにも出来ないよね!臭いものには蓋をして、と……。今日はとことん遊ぶぞー!」
蓋、って、ファイルに入れたらもう見ないだろ……。
「もう駄目だ、救いようが無い。」
俺はどうしようも無くなり、頭を抱えたのだった。
「ん?何か言った?」
最初のコメントを投稿しよう!