IQが高けりゃいいってもんじゃない

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「てかお前、どうやったらそんな点取れるんだよ。」 比較的簡単だったこのテスト。 平均点も65点である。 「え~と……勉強しなかったから?」 「いや、普通に授業を受けていれば7割は取れるぞ。」 あ、まさか……。 「あー、私、授業中寝てた。」 「はぁ……やっぱり。」 授業中に寝る、とか。 やっぱり此奴は馬鹿である。 「何で寝るんだよ。流石にヤバい、って分かってるだろ?」 「そりゃ、勿論。でもさ、先生の声って子守唄じゃない?不可抵抗力だよ、これは。」 なんて呑気なんだ、此奴は。 キョトン、としてるけど、これじゃ赤点まっしぐらだぞ。 「燈ちゃん、お疲れ様~。」 「お、こころん!ほんと、お疲れだよ……。」 こころん、こと佐倉紅衣さくらこころ。 米澤と一緒に俺に付きまとってくる1人だ。 「大丈夫だよ~。燈ちゃんなら頑張れば出来るよ。」 佐倉は米澤にとてつもなく甘い。 まぁ、励ますのはいいんだけどな。 「こころーん!やっぱり持つべきものは友だね!」 「そう言えば、佐倉は何点だったんだ?」 「ん~?えっとね、100点だよ~。」 流石、秀才。 「こころん……。さっきのが嫌味にしか聞こえなくなったよ。」 さっきまでの笑顔は何処に行ったんだ。 まぁ、あの馬鹿とは違い、しっかり授業も受けてたしな。 「米澤、お前もしっかり勉強すればいいだけだと。」 「……でもさ!もう終わっちゃった事はどうにも出来ないよね!臭いものには蓋をして、と……。今日はとことん遊ぶぞー!」 蓋、って、ファイルに入れたらもう見ないだろ……。 「もう駄目だ、救いようが無い。」 俺はどうしようも無くなり、頭を抱えたのだった。 「ん?何か言った?」
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