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「おーい!こっちこっち!」
おい、米澤。
そんなにはしゃぎ過ぎると後々辛くなるぞ。
「おはよう、涼くん。」
「あぁ、おはよう。」
此処は『心里あくあとぴあ』。
この周辺ではいちばん大きい水族館だ。
今はゴールデンウィーク。
……まぁ、そういう事だ。
「おい、走り回るな。
迷子になっても知らねぇぞ。」
「はぁ?ちょっと!
子供扱いしないでよね!」
そう言ってはいるが。
入場ゲートからのびる列に並びながら、
『まだー?』
『すっごい暇なんだけど。』
『ねー、何見る何見る?』
『昼ご飯どうしよっか?』
なんてずっと喋っていた。
いや、どう考えても子供だろ。
やっとの事で中に入れた。
水族館の中がかなり広いのか、そこまで混んでいるようには見えなかった。
「ねー、何見るー?」
何度目だ、それ。
「んー、取り敢えず順番に見るのはどう?」
「あー!それだ!こころん!」
いや、それだ!もなにもそれしかないだろ。
「お、あれはニモか?」
「わぁ!カクレクマノミ!
…ってか、ニモって言ってるの?」
おい、笑うな。
「いや、ニモって呼んでる人も多いと思うが。」
「まぁ、そうだけどさー。」
何時までも笑っている米澤。
何だ、そんなに面白いのか?
「可愛いわね?。」
あぁ、さっきのムカつきも魚を見ていると薄れていくな。
「ねぇ、知ってる?
クマノミは、性格が荒いスズメダイの仲間に属するんだよ。
縄張り争いのケンカになると、相手が死ぬまで戦うことがあるんだって。」
なんだ、突然。
ねぇ、知ってる…って、あれか?
○しばか?
豆し○なのか?
……ウザイ。
こいつ、ウザすぎる。
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