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私は小さい頃から、日常にはびこる「謎」や「不思議」にとても興味があった。
テレビなどで「謎の飛行物体現る!」や、「超能力は存在するのか!?」という見出しの番組を見かけては、その番組に釘付けになっていた。
女子高校生の日常会話、といえば、流行りのアイドルに流行りのファッション、好きな人の話など、周りから聞いてもキラキラ輝くような話が中心だった。
そんな中で「宇宙人が!!!」とか、「未確認生物が!」なんて話に目を輝かせていた私は、クラスから浮いているのは当然なんだと思う。
私はクラスから浮いてはいたものの、正直周りの女の子たちの話こそ、無意味な時間だと思っていたし、好きなことに没頭するには、一人でいることも重要だと思っていた。
そんな私が高校生になって初めて興味を持ったのが、「柳 小春」という人物だった。
「小春」という名前だからといって、彼はれっきとした男の子。(男の子にしては可愛い名前だなぁと、羨ましく思う。)性格もどちらかというとのほほんとしていて、背も小さいので、「小春」という名前はしっくりくる気がする。
彼もまたクラスの中では友達が少なく、眼鏡をかけて、いつも本ばかり読んでいるので、周りからはいわるゆ「いんキャラ」として扱われていた。
彼に興味を持ったのは、彼がおかしな行動をとることを、私は発見したからだ。
彼は時々メガネの上に両目をあてて、3秒間くらいじっとしていた。そのまま動かなくなっていたかと思うと、両手を眼鏡から外し、いつもより目を少しだけ細めたあと、カッと目を見開いた状態で何かを見つめていた。そして急激にまばたきの回数が少なくなり、それで……。おしまいだった。
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