序章

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序章

 俺の手は、冷えきった恋人の手をしっかりと握っている。  俺の頬は、愛する人とは対照的な温度で濡れている。  俺の耳は、汚い嗚咽を飽きる程聞いている。  俺の瞳は……、美しすぎる死顔をしっかりと映していた。  涙が垂れる。  まるで、溶けた雪のように。
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