第十一話 第十班VS死鬼

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 ―――――――――― 「はぁ、はぁ……」  金髪男は繁華街へと続く橋の下でへたり込んでいた。右手首は変な方向に曲がり、痛みで脂汗をかいている。 「くそっ!」  憎々し気に顔を歪め叫ぶ。 「なんなんだよアイツは! アニキも俺を置いていきやがるしよ! くそぉ……」  金髪男は毒づき顔を上げた。  すると、 「っ!」  目の前にいた。  死神が。  否、髑髏の鬼が。 「た、たすけ――」  命乞いをする間もなくその首は胴体から離れていった。  ――ドサッ! 「キヒッ、ヒャハハハハハハァッ!」  その日、死の鬼は再び産声(うぶごえ)を上げた。  ―――――――――― 「――見つけたぞ」  死鬼が去っていった橋の大柱の影、携帯を耳に当て通話している人影があった。 「あれは間違いない。俺らと同じ『鬼人(きじん)』だ」  腰ほどまでの長さのある真っ白な髪。スラッとした長身痩躯は黒のライダースーツによって際立っていた。不機嫌そうに見える表情、猛禽類のような鋭い眼差しは、普段のもの。並びの悪いギザギザの歯は、獣鬼の歯のように鋭く尖っている。 「――ああ、分かってる。もう少し様子を見てから声を掛けるさ」  男は、その言葉を最後に通話を切り、音もなく消えた。
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