319人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
やがて、直人は何かを見つけたのか目線がピタッと止まった。
「お、おい……お前ら、あれ見ろよ」
直人がそれを指さす。
智也もその方向へ目を向けた。
「ん? なんだ、あの制服は中学生じゃないか」
影仁も目を向ける。
そこには、中学生と思われる女子が三人で並んで歩いていた。
「真ん中の娘見ろよ。アイドルかってくらいかわいいぞ」
「バカやめろよロリコ……いやマジか」
直人は鼻息を荒くし、智也は硬直する。
「やべぇ……っておい! あの子、こっちに手振ってないか」
「バカ野郎。それストーカーの始まりだよ。ってこっち来る!」
真ん中の女子。栗色の髪にツインテールで澄んだ碧眼、端麗な顔に笑みを作り、彼女は近づいてきた。
甘いボーイミーツガールを夢想している二人を尻目に――
最初のコメントを投稿しよう!