第五話 戦士たちの日常

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「あぁやっぱり! 影仁さんだぁ。こんなとこで会えるなんて嬉しい」  その娘は嬉しそうに満面の笑みを浮かべると、影仁の腕に抱きつこうと手を伸ばした。  しかし、影仁は最小限の動作で回避しため息をつく。 「……何の用だ」 「えぇ冷たい……」  その女子はショックを受けたようにのけ反ると、頬を膨らませた。  ちなみに、智也と直人は口をあんぐりと開け硬直している。 「ちょちょちょちょちょっとぉっ! 影仁の知り合い??」  直人が目を白黒させて割り込んだ。 「はいっ。天前(てんぜん)中学校の弓岡由夢(ゆみおかゆめ)っていいます」  由夢はニコニコしながら自己紹介する。  そこに智也も加わり、鼻の下を伸ばしながら自己紹介を始めた。  彼らの様子を見てすぐに、影仁は家の方へ歩き出す。 「ちょっと影仁?」  気付いた智也が声をかけるが、 「俺は今から用事がある」  影仁はそう言って立ち去った。 「ざんねんです……」  由夢は残念そうに肩を落としながら友人たちの元へ戻っていく。  合流した彼女ら三人組は「由夢ちゃん、あんなカッコいい人と知り合いなんだね」ときゃっきゃとはしゃぎながら駅のほうへ歩いていった。  そして、その場に取り残された智也と直人は、しみじみと呟くのだった。 「「影仁の友達で良かった……」」
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