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2章 手紙 一枚目 裏
あなたの考えているモノクロの世界と私が考えているモノクロの世界は少し違うようですね。
私が考えているモノクロの世界は、あなたが作った例文を借りるならば、「机の上にりんごがある」なのです。
あなたが指摘するようにこの例文には様々な色が存在するのです。
どんなりんごか分からない。
どんな机か分からない。
だからこそ、読み手は様々な色を載せることができるのです。
もちろん、色だけでなく形や匂い、質感、重さ、その背景にあるもの……。
情報が少ないからこそ、多様な夢を見ることができる。
つまり、私にとっては、モノクロの世界とカラフルな世界はイコールなのです。
私はそのことをあなたに分かって頂きたい……。
あなたは、私が他人に干渉しない性質だということを知っています。
ですが、私はこの件に関しては……あなたに関してはどうしようもなく干渉したいのです。
いつか私が創造するモノクロの世界にお連れいたしましょう。
きっとあなたは、そこで色を塗ってしまうでしょう。
それも繊細に……!!
それは、あなたの負けであり、私の勝利なのです。
宣戦布告だと受け取らないでくださいね。
これは、私の勝利宣言です。
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