prologue

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アラームの音で目が覚めた。 東京に降り注ぐ陽が窓から注いでいて、眩しさに目を細めながら 手探りでスマートフォンのボタンを押す。 そして隣に置いてあるテレビのリモコンを手に取って、 適当にどこかのチャンネルを押した。 『えー、今日は…「あの」有名な方に待望の独占インタビューをしてきました!』 やけに「あの」を強調させたアナウンサーらしき人の声に耳を傾けながら、 ゆっくり起き上がる。 顔を洗った後キッチンの前に立ってシュガートーストを準備していると「あの」有名な人がようやく映っていた。 『この前発表された新曲はもう一気に世間に広まってましたね! 実は私もあの曲すごく大好きで』 『それはありがとうございます』 謙虚そうな笑みが(こぼ)れたのを見て、つい見入ってしまう。 『ところで今SNSで話題になっているのが、 この曲は過去をもとにして書かれたとか…。 今日はその事をインタビューしに参りまして…』 『ああ、それは、――
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