episode248 女王の帰還

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住む家が広いからいいってもんじゃない。 涙を隠して長い廊下を歩くのはけっこう大変なんだ。 ようやく自分の部屋に辿り着き扉を閉めてしまうと。 「アア……」 気が抜けて僕はドアに背中を預けたまま その場にしゃがみこんでしまった。 だけどすぐに――。 「っ……!」 薄暗い部屋の中に人の気配を感じて縮みあがる。 なんせ僕を殺そうとした人間が屋敷に帰ってきてすぐだ。 緊張したまま目を凝らすと――僕のベッドの上。 「俺だ――殺人鬼でも吸血鬼でもないさ」 手元を照らす程度の明かりが灯る。 「征司お兄様……」 見れば殺人鬼より吸血鬼より怖い人が 僕のベッドに足を投げ出して。 「そ、それはっ……!」 「いつもながら随分無防備だな?和樹――」 僕がルカと連絡を取っていた証拠の ノートパソコンを開いているとこだった。
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