episode248 女王の帰還

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相手が薫でなければ正直 ここまで罪悪感を抱かなかったような気もする。 僕は己の愚かな好奇心のために 穢してはいけないものに手をかけた。 決して踏んではいけない境界線を いとも容易く超えてしまったんだ。 「あいつが死んだらおまえの責任だ」 追い打ちをかけるように 征司は僕の目を見てはっきりと言い放った。 「もしそんなことになればおまえをこの家から追放するしかない」 「え……」 それは家長として兄として迷いのない決断だった。 少なからずショックを受けたことは否定のしようもない。 でもまだこの時。 僕は思ってたんだ。 「そんなことになるはずないよ……出血量のわりに傷は浅かったって。死ぬはずない。明日迎えに行ったらきっと一緒に帰れる」 そう本気で思ってた。 この時は何も起こらないって。
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