episode248 女王の帰還

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善意の革命会館のまわりにある救急病院と言ったら。 所詮数は知れている。 深夜を0時を回っている。 面会時間はとうに過ぎているし 椎名さんはもういないだろう。 さすがにこんな時間に電話するのも憚られた。 だけど今更――。 お兄様たちを起こして 吸血鬼が出たから薫の元へ連れて行けと言うか? しかし中川にリムジンを頼めば 一層大事になるのは火を見るより明らかだった。 そしてここが一番大事なところ。 時間はあまり残されていないということだ。 僕は薫の部屋から飛び出した。 一人で行く。 外に出たらタクシーを拾って 一目散病院へと向かうんだ。 いましがた木登りしていた吸血鬼よりは 少しは早く着くはずだ。 だから僕は一人で行く――。
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