episode248 女王の帰還

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「君に放っておいてと言われて、そうできると僕だと思うの?」 がっちりと掴まれた手首。 九条さんは溜め息交じり低い声で言った。 「無理だよ。君が諦めてくれ。和樹」 「放して……」 振り切れない握力で そのまま僕を引き寄せ九条さんは強引に唇を奪った。 「ンンッ……!」 その瞬間。 雪崩を起こしたように 僕の中に流れ込んでくる彼の深い愛が――。 「僕のせいなの……」 自ずと口を開かせる。 「僕が全部仕組んだんだ。ルカを誘惑して狂わせ……危険だと知りながら薫と引き合わせた……」 唇すれすれに囁かれる悪魔の告白に 美しい恋人は形のいい眉を顰める。 「軽蔑したでしょう?僕は何も変われなかった」 視線を外さないのは怖いからだ。 僕が目を離した瞬間 彼の瞳に浮かぶやもしれぬ嫌悪の色が――。
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