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「僕も、証明できたかな?千綾さんへの恋心を」
「うん。十分過ぎるくらい、届いたわ。もう、幸せ!」
「でもさ、縛る必要は、なかったんじゃない?後、僕を眠らせたの、あれは……」
「あーもう、そんなのどうでもいいじゃない!お互いに好き同士だってことがわかったのだから」
「……うん、まあ、いいか!」
睡眠薬(?)の出処や、縛られた事についてはぐらかされたのは少し怖いが、気にしないことにした。屈託のない笑顔で喜ぶ彼女に、つい笑みが溢れる。
「ありがとう、僕の為に。美味しかったから、また、作ってくれない?」
「勿論、良いわよ。折角のバレンタインだし、もう少し一緒にいたいけど、今日は遅いから、帰りましょ?」
「そうだね」
千綾さんの手をとって、立ち上がる。僕らは、こうして恋人となった。何も悪い結果にならなくて本当に良かったと思う。
最初から空で見守ってくれていた月は、僕らの帰り道をずっと照らしてくれていたのだった。
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