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Ⅱ・チョコレートは甘い悪魔
授業を終え、放課後。この後僕は部活がある。僕はバドミントン部の副部長で、夏の大会へ向けて気合いを入れる時期でもある。それに、早く体育館へ向かうことで、ご丁寧に教室まで来てくれる女子の皆さんを避けることもできる。
というわけで、早々に教室を飛び出そうとしていると。
「ねえ、横坂君?ちょっといいかな?」
扉を出たところに一人の女の子が立っていた。
「……ん?おわ、ち、千綾さん!」
「なんでそんなに驚くの?私顔に何かついてたかなぁ?」
あろうことか、そこにいたのは千綾玲華(ちあや れいか)さんだった!ま、まあなんというか、僕の気になってる人だったり……。修学旅行で、たまたま同じ班になって、行動したことがあった。そこでの千綾さんの行動の機敏さや、一緒にいて楽しかったことなどを理由に、僕は彼女に好意を抱いていた。
けれど、このバレンタインに僕に会いに来た。ということは、まさか、彼女は―。
「今日の部活終わった後、時間あるかな?ちょっと用事があるのだけど」
―やっぱり。これは十中八九チョコレート事案だ。僕はどうするべきなのか、悩む。
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