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【先輩と後輩】  目の前の兵器に銃口を突きつける。俺の後ろで息をのんでいる彼に、平静を意識して声をかけた。 「俺は貴方や荻野さんのために戦うと決めたんです。……浅間氏、今までどこに行ってたんですか。ずっと探していたんですよ、俺」  探していた、ずっと。行方をくらませたと知ったあの日から。昔からそうだ。何も言わずにふらっといなくなっては本当に彼の力が必要な時には帰ってくる。きっと、今も彼の力が必要な時だ。 「……秋山、お前」 「荻野さんから伝言です。『目の前の敵は稔くんにでも任せてさっさと僕のところに来て』って。……任せてください。こういうのはだいぶ得意になったんです」  震えはない。怯えも、恐怖もそこにはない。ただの兵器、鉄くずだ。そんなものより――人間の方がよっぽど怖いということを俺は知っている。 「……テメェ一人に任せられるかよ」 「浅間氏……ほんと変わりませんね、そういうところ」  なんだかんだ言って、他人を見捨てはしない。切り捨てることも、殺すこともできない。そんな優しい人だからこそ、俺はこの人についていこうと思った。
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