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【最高神】 「……お前さんたちはさ、ちょいと力をつけすぎたんだ」  目の前の男はそう言って笑う。穏やかに、まるでこちらを諌めるように。クロードとモルドレッドが私をかばうように前に出る。 「幻想神の力を使ってゲームを作るっていう発想は面白いとおもったが――お前ら人間が創造神の真似事をするのかよ」  嘲笑うその目に浮かぶのは私たちに対する嫌悪感だった。それでも。 「この世界は潰す。あの幻想神も、ファルス・ヴァズルフも。世界の理を破壊するイレギュラーであるお前たちも――等しく」  既に決まっていることだ、と彼は笑った。 「……違うでしょう」  それまで黙って話を聞いていたクロードが口を開く。その杖を握り締める手は小さく震えており、まるで何かに怯えているようだった。 「おかしいのはこの世界だけじゃない。そもそもなぜ世界は神に支配されなくてはならない。何故、管理されなくてはいけない」 「支配しねえとファルスみてぇなのが出てくるだろう? それとも何か、クロード・ハルシフォリア。お前はあいつに同情でもしたのか?」  ギリ、と歯噛みする音が聞こえる。男の嘲笑に、クロードは「ああ、している」と答えた。 「あの男はお前に妻と子を奪われた。それがなければあの男が凶行に走ることもなかった。同情はしている。だから協力していた。――シンフェルシアだってそうだ。禍罪という括りがなければ奴だってあそこまで歪みはしなかった。……私は、どんなに許されざることであってもあの二人といた時間は無駄だとは思っていない」  クロードが杖で床を叩くと、朱色の破片が目の前の男に向かい飛んでいく。しかしそれは男の目の前で動力を失ったかのように停止し、砕け散った。 「はー、残念だな。……残念だよ、クロード・ハルシフォリア。そう言う結論になっちゃったか。賢しいやつだと思っていたが――とんだ愚者だな」
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