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エイタの旅立ち
「それじゃあさっそく王都に向かいましょう!」
神官のクレリアがオレの袖をぐいぐい引っ張る。
この世界に転生して、生活にも慣れてきた。
どうやら所謂ファンタジー系RPGのような世界みたいだ。
オレはこの世界の女神に転生させられ、様々な能力を与えられた。
そして魔王を倒す使命まで背負わされてしまった。
この神官クレリアは女神から神託とやらを受けて、オレを魔王を倒す勇者にしようとしているらしい。
正直迷惑だし、めんどくさい。
チート能力がいくつもあっても、魔王ってめっちゃつよそうじゃん。
死ぬのはイヤだし、適当にこの能力で楽に生きていくほうがいいに決まっている。
「さっきも言ったけど、オレは勇者になる気なんてない。他をあたってくれ」
「またそんな事を言って!あなたは女神様に選ばれた勇者なんですから」
オレの人生、勝手に決められても困る。まあ転生してきたので二度目の人生みたいなもんだが。
しかし、クレリアって女の子出会ったばかりなのに、ぐいぐい来る。とにかく「王都に行って国王に会おう」と言って聞かない。
「そんなに焦って王様に会う必要ないんじゃない? 気楽にいこうよ」
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