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第一話 入国管理局特別審査第一部門主任の場合 ~異世界召喚編
その1 毎度お馴染みの対面審査
「お前みたいな下っ端じゃ話が通じない! この世界を管理する女神を出せ!」
第一面会室、透明板を通した向こう側で対象がわめく。
俺は思わずため息をついた。
見たところ典型的な他世界からの不法入国者だ。
年齢は中年入りかかった位。
体型はだらしないデブ。
ひげもじゃ髪伸ばしっぱなし。
何処から見ても駄目な奴だとわかる。
「まず言っておく。神だの女神だのなんて私もお目にかかった事は無い。公式で実際に神と会ったとされるのは初代国王と初代大神官位だな。そんな対象に会わせろと言っても連絡手段が不明だ。もしお前が神に会わせろというなら自分で呼ぶんだな」
「話が違うぞ!俺はこの国を救いに来た異世界からの英雄なんだ。下っ端役人のお前がこんなところで俺を押し込めているなんて無礼だ!」
狂っていると思ってはいけない。
これは割と典型的な対象の態度なのだ。
もう俺も何度となく面談したタイプ。
いったいこいつらの世界の常識はどうなっているのだろう。
ひょっとしたらこんなのでも生きていける位の理想郷なのかもしれない。
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