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でも住民がこんなのばかりなら俺はここワーサキ国の方がましだと思う。
この業務についてはさっさと異動したいと切に願っているけれど。
「まず君の立場を説明しよう。君はこのワーサキ国に他世界から不法に入国した不法入国者だ。聞いても無駄だと思うが一応形式だけでも聞いておこう。何の目的でこの国に不法入国した」
「この世界を救うためだ」
対象はきっぱりそう答える。
やっぱりと思いつつ、俺は定例の台詞を口にする。
「それで世界を救うために何か技能とか才能、特別な知識はあるのかな」
「当然だ。俺はここより遙かに進んだ国から来た。役に立つ知識も色々持っているし、それに異世界から来たんだ。特別技能も何か授かっている筈だ」
あーあ、パターン通りだと思いつつ俺は更に定例の会話を続ける。
「なら君がどれほど有用なのか試してみよう。授かったという特別技能を私がわかるように発揮してくれたまえ。または凄いという知識を私に有用性がわかるように披露してくれてもいい」
俺の言葉を聞いて対象はちょっと困ったような顔をした。
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