GOALのない迷宮

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GOALのない迷宮

『奏歩~、今日の授業は~?』 『も~早百合ったら...』 『いいでしょっ それよりどうなの? 愛しの望君とは!』 『早百合!からかわないで!...早百合だって優弥君とどうなの?』 『もうアイツはいいの!!!!!!  私にはもっとカッコいい人がいるしぃ~』  『えっ!誰々!?』 『俺だよなぁ~サユりん?』 『優弥!?』 秋山 優弥。 中学生のくせに茶髪に染めて、ピアスをしているチャラ男。 だが、顔はモデル並みの美男子でくっきりした目、ピンク色に染まった唇。 全てがお手本のように整っている。 本人も自分の美しさを理解しているらしく、皆に愛想を振り撒いている。 恥ずかしいことにアイツと付き合っていたことがある。 アイツが皆に愛想を振り撒いているとは知らず、白い雪景色の中で告白した。 結局付き合うことになったのだが、全てが嘘だった。 私に何回も言った布団の中での『愛してる。』という言葉。 誕生日にくれたカッコいい十字架のネックレス。 ネックレスは浮気相手からもらった使い古しだった事が後からわかった。 ーもう、アイツなんか信じない...!ー 奏歩の腕の中で泣きじゃくった。  ー大丈夫。早百合ならもっといい人がいるよー
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