あの日の香りはただ漂う

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あの日の香りはただ漂う

決まってる。 中身は開けなくてもわかる。 ずっと好きだったから。 きっとあいつも同じ気持ち そう過ごす時間が長すぎて タイミングはとうの昔に過ぎていった それが今手元にある 結果がわかっていることほど刺激のないことはない。 当たり前が入っている箱を開ける。 そこには何も入っていなかった。 イエスもノーも伝えることのないその箱は かすかに彼女の香りがした。 もう戻ることも始めることもできない関係は あの日の中にただ漂っていた。
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