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第ニ十一章 自分の招いた事
あれから私は、少しずつ車椅子に乗るようになった
ここのリハビリ病院は、高齢者が七割くらいいる所だったので、話し相手は決まってお爺ちゃん、お婆ちゃんが多かった
私は元々、お婆ちゃんっ子だったので、話しているのは嫌いじゃなかった
ある日、担当の作業療法士がリハビリ室行ってみようと言ってきた
私は少し緊張していた……
私「ねぇ、やっぱり恥ずかしいから病室でやろうよ~」
担当の作業療法士「大丈夫だよ!みんな明るいし、フレンドリーだから!」
抵抗はできなかったので、渋々行くことになった
リハビリ室へ行くと、みんな暖かく迎えてくれた
マッサージしてもらっていると、担当の作業療法士と仲のいい作業療法士Sさんが近寄ってきた
作業療法士S「うぃっす!リハビリ頑張ろう」
フレンドリーすぎて私は笑った
私「こんにちは、お願いします」
リハビリ室に通ってリハビリしたり、病室で担当の作業療法士と歌を歌ったりして、私は少しずつ明るさを取り戻していた
しかし、口の悪さや態度は未だに良くはなっていなかった
そんな中、また院長先生に呼び出された
院長「少しはリハビリするようになったみたいだけど、まだ素行が悪いな」
院長先生はニヤニヤしながら怒っていた
私は不気味に思えた
院長「来月ここの病院で夏祭りがあるの知っているか?」
私「一応聞いてます……」
院長先生はまたニヤニヤしていた
院長「最近、担当の作業療法士と歌ってるんだって?」
私は嫌な予感がした……
私「はい……気分転換に」
院長「君を更生させる為にステージを用意するから、歌いなさい」
私「嫌です!!!そもそも肺活量も全然ないし、大きい声でないし、無理!」
院長「君の素行が招いたことなんだ。頑張って」
私は否定できなかった
夏祭りで歌う事は約束された……
夏祭りまであと一か月……
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