混線タイムライン∞カフェ

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「あんたゲイだろ」  奴がトイレから部屋に戻るタイミング、たまたま廊下ですれ違った時にぶちまけてみたら、ビンゴだった。 「な、なななななっ……」  そのまま「7」しか言わなくなったチカの激しいテンパりを見たのは、それが最初。 「安心しなよ。オレも。でもあんたはタイプじゃないから。仲良くしような」  取ってつけた笑顔でそう優しく言ってみても、奴はなかなか「7」から這い上がれなかったっけ。  その、知る人ぞ知る、というよりだいたい周知されているテンパり虫のチカが、最近恋に落ちた。相手は天使、結城佐久。いままでノンケは好きになったことがないという強運の持ち主、チカを瞬殺した男が、結城だった。  だって一目惚れだったんだよ、て言われても知るかアホ、やめとけよ。そう返したオレも、本物の天使の前にあっけなくひれ伏した。  結城の持つ不思議なオーラにやられるのはチカやオレだけではなく、職場の紅一点松崎さんも、最初の顔合わせから惹かれているっぽいのは明白だった。スカウトした張本人の室井オーナーも、オレたちとは違った意味で結城の魅力にとり憑かれていたし、ほかの男子従業員に至っては、ノンケのくせに結城を「かわいい」だの「天使」だのと恥ずかしげもなく口々に言い出す始末。ノンケでそれなんだ、オレたちなんか太刀打ちできるわけがないって話。
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