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そこには「あけちゃダメ」という文字とハートマーク。
そしてカードをどけて気がついたのだが、箱の底にピンクのリボンが結ばれている。
あけちゃダメ…リボンのことか?
物は試し、オレはそっと手を伸ばし、リボンを解いた。
「きゃっ」
瞬間、強風が園内を吹き荒れ、思わず悲鳴のあがったほうに目を向けると。
スローモーションでめくれあがる緑のスカートの裾から、ちらりと覗くレースの下着。
下着越しでも分かる、しっとりと柔らかそうな形のいい尻。
こ、これはまさか、伝説の。
「ラッキースケベ?!」
今まさにラッキースケベの被害にあった女性が、明らかに棘のある視線を投げかけ、子どもを連れてそそくさとその場を後にした。
思わず立ち上がって叫んだオレははっと我に帰り、ベンチに座り直した。
手元の箱に目を落とすと、さっき解いたはずのリボンがまたきれいに結び直されている。
いくらなんでもそんな魔法みたいなことがあるわけがない。そう自分に言い聞かせながらも、確認のためにまたリボンに指がのびる。
する、と解けてすぐ、今度は公園の外から女子の黄色い声があがった。
「きゃーっ!あははっ、もう何してんのよー!」
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