第三章 日々の暮らしと、『芳賀魔巌二』

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 頭の中では、答えは決まっていた。けれど、感情がついていかない。ここに残ることが正しいという思いはあるけれど、現実問題としてまだ死にたくはない。  答えを出すのに、かなりの時間がかかった。  トワはその間も、ただじっと待っていてくれた。  口のなかはからからで、緊張のせいか手のひらも汗ばんでいた。小毬は大きく深呼吸したあと、口をひらいた。
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