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「そんなこと……初めて、言われた」
少年は口をひらき、閉じる。言葉を選んでいるようだ。
逡巡の末、少年は小毬に告げる。
「小毬も一緒?」
小毬は、徐々に目を見開いていく。
「一緒に生きてくれる?」
ひとりは嫌だ。言外にそう言われて、小毬は目を眇め、そしてゆっくりと微笑んだ。
「うん、一緒」
少年は深い緑色の瞳を柔和に歪め、嬉しそうに微笑んだ。
その笑みは小毬の胸にじんわりと染み込み、心地よい光となってこれからの道を照らした。
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