ONE hour writes 短編集

新年のご挨拶

【部署内で初詣に行こう！！】
そんな連絡が係長から回って来たのは年が明日に変わるという大晦日の朝だった。
既に会社は正月休みに入っている。今年は曜日の関係で9連休なんていう長い休みなので、既に旅行に行ってる社員や、せっかくの休みを家族や友人・恋人とゆっくり過ごしたいなんて思っている社員も多い。
結局、集合できたのは集まったのは、部長、俺、小宮、佐野係長の4人と数名の女子社員だった。会って早々『おめでとうございます』の挨拶が交わされる。

「係長、なんでギリギリに言ってくるんですか？俺、予定入ってたのに……」
「予定入ってたら無理しなくて良いよって言ったでしょ小宮！ ってか何で来てるの？もうマーケティング部の人間でしょ？」
「まだ正式に辞令来てないです。それに俺にも連絡きましたから来てもいいでしょ！」
「うわぁ、一斉送信したのがマズかった」
「ええっ、小宮さん来るって聞いたから私寒い中来たのにー！」
「この後カラオケでも行きましょ！」
ワイワイ騒ぎながら神社に向かって歩く。小宮と係長達社員の会話を聞きながら部長と俺はその後ろを歩いていた。