67人が本棚に入れています
本棚に追加
やっと賽銭箱の前に立つことが出来てお参りをする。一応会社のみんなで来たので、これからの仕事が上手くいくようになんてお願いしてみた。
少し離れた社務所の前で皆がおみくじを引いたりして待っていた。
「もう!遅い!どこ行ってたんですか?」
「ごめん。俺が人とぶつかってはぐれちゃって」
そう言うと小宮が慌てて俺の肩を掴む。
「代永!怪我、してないか?どっか痛いところないか?」
「有難う小宮。大丈夫だから」
部長が助けに来てくれたという事は内緒にしておく。そんな事言ったらまた部長に食ってかかりそうだ。
「じゃあ、このまま新年会って事でカラオケと呑み会でもしますか!」
「いえーい!」
係長の言葉に女子社員達が率先して反応する。今度ははぐれないように注意しながら皆んなの後をついていく。
「そういえば、景都。ちゃんと神さまには誓いを立てた?」
不意に隣に来た部長から言われた言葉に意味が分からず聞き返す。
「誓い……ですか?」
「そう、神社にはお願いごとをするんじゃなくて、誓いを立てるのが正しいって聞いた事があってね。それから私はずっとそうしていてね」
ふと、さっきのお参りを思い返すと普通にお願いをしていた。
「いや……普通にお願い事してました。会社の皆んなで来てるから仕事が上手くいきますようにって……」
最初のコメントを投稿しよう!