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今日は教育相談がある。
担任の先生と一対一で話をしなくてはいけない。
嫌だな…田中先生と一対一で話すのか…
前に美術部のこと言っちゃったし、そのこと聞かれなきゃいいな。
※ ※ ※ ※ ※
「失礼します。」
「座って。」
そう言われ、椅子に座る。
「佳奈、なんかある?
困ってることとか…」
「特に…」
「部活のことは?」
「…」
…言った方がいいの分かってる。
けど、10月のことがあるからなかなか口を開くことが出来ない。
時計が時を刻む音が教室に響く。
「佳奈?」
「別に、何もありません。」
答えたら、次は私が標的。
詩羽達を巻き込んでしまうかもしれない。
そう思うと、何も言わない方がいい。
そう思えた。
「本当に?
何も無いの?」
「どういう意味ですか?」
「この前、言ってたことは?
もう大丈夫なの?」
「…はい。」
「なんで?」
「えっ?」
「私には言えないことなの?」
「…」
「見て見ぬ振りも同罪だよ。」
強い口調で責め立てるように先生はそう言った。
いや、先生も焦ってたのだろう。
最近、瑠璃が学校に来れない日が続いたから。
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