第一章 シオン宮殿

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「先生は、このシオン国も宗教的聖地のひとつとでもお考えでしょうか。でもプロシア共和国では、世界四大宗教の信仰が大半ではないでしょうか。他の宗教が入り込む余地は少ないかと」 「何もかもが紀元前の出来事じゃ、何があったかの記録はこの宮殿内にしか存在しない」 「先生は、世界四大宗教の元になった出来事がこの宮殿に隠されていると、そうお考えでしょうか」  笹川教授はその問いには答えず、沈黙を続けたまま空に顔を向けた。 「それは・・・、シオン国民が宇宙からの訪問者といった意味でしょうか」 「それは謎です。私も教授である以上、証拠のないことは言及出来ません。確かなことは、その証拠が今日、この場で明らかになるという事実です」 「先生、どうもありがとうございました」
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