第二章 ゾンビの城

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「外はどうなっている・・・」  心配になったのか、さっきまで部屋の隅に座り込んでいた夕凪 隼人(ゆうな はやと)が隣に並んでいた。 「ここから飛び降りるしかないのか・・・」  独り言なのか、自分に投げかけられた言葉なのかの判別もつかないままに、隼人も香に並んで窓から下を見下ろした。 「ムリ、ムリ、絶対無理。こんなのあり得ない」  隼人は無意識に身の危険を感じたのか、反射的に身を引いた。 「じゃあ、夕凪さんは、あいつらに食われたいのか」  香は窓の反対側に位置する扉の方に顔を向けた。
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