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第三章 ホストクラブ
夜の部を終えて最後のお客が帰ったホストクラブ。ハヤトは早々と帰り支度をしていた。
「ハヤト、この店、明日で閉店って、知っていた」
同僚のツカサが耳打ちして来た。
「冗談きついぜ、ツカサ。今日だって満席だったじゃないか」
「お前、なんにも知らないのだな」
「ツカサ、どういうことだ・・・」
「ライバルの『光源氏』って店知っているよな」
「ああ知っているよ。閉店したって店だろ。夜逃げしたって噂らしいが・・・」
「実はこの店のオーナーが『光源氏』の店の連帯保証人になっていたらしくて、その借金の返済に明日でこの店を明け渡すらしい」
「ほんとかそれ、で、ツカサはこれからどうするつもりだ」
「オレか、オレはさあ、他の店に転籍するのさ。他店から声が掛かっている」
「じゃあ、オレも頼むわ、親友」
ハヤトはツカサの肩をポンと叩くと店を後にした。
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