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「めっちゃ似合う! やっぱアンタべっぴんさんだよー!」
拍手をしながらぴょんぴょんと跳ねて、着替え終わった私を喜んでみている。
良かった。デザインした甲斐があったなぁ。
「あ、そうだ! 後ろ向いて!」
「へ?」
言われるがまま後ろを向く。
ふと、首に何かをかけられ、髪の毛を通して『カチンッ』という何かがはまる音を耳で聞く。
「……あの、これは?」
十字架のペンダントだ。なんだか黒々しくて、厨二病感擽られるね……。
「それはここにいるための証のようなもの! アタシ達の間では『天界の切符』って言われてるんだい!」
「天界の……切符?」
「いぇす! そのペンダントがあればほかの天界にも行けるし、なんなら地上にだって行けるんだい!」
「え、地上に?」
そりゃ凄い。とりあえずここが地球外だって言うことは分かっているし、行くつもりもないけど。
「あ、それとそれと、天界の役所に行って十字架のピンを貰ってくること!」
「十字架のピン?」
「そ! アタシの髪の毛についてるでしょー?」
見えやすいようにとロウチャさんはわざわざ身を屈めてくれた。
確かに、黒の髪の毛には十字架の白いピンがついている。
「この二セットがないと天界には居られないから、早めに貰っておくといいよ! 無くした時も再発行してもらえるから大丈夫!」
「なるほど……その、ペンダントとピンをつけなかったらどうなるんですか?」
「もちろん天界にはいられないし、そもそも天使としての役職が発揮できないんだい」
「役職?」
「そ! ここに来たら持つ、天使個人個人にランダムで与えられる役職! アタシだったら服作りの役職なんだい! ノアにもあるはずだけど、アタシじゃ分からんから、それは役所に行ったら分かるんだい!」
「なるほど……」
自分には一体どんな役職があるんだろう。
判明してないなら、早く役所とやらに行って聞いてみたいなぁ~。
なんて考えていると、もう遅いから泊まりなとロウチャさんが言ってくれたので、お言葉に甘えて今日は泊まることにした。
まぁ、さすがに何日もお世話になる訳にはいかないから、明日になったら出ていくけどね。
「よーし! 雅ことウリエルよ、何が食べたい! このロウチャが振舞ってあげよう!」
「ホントですか! じゃあじゃあ……!」
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