性別のこと

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*** 「めっちゃ似合う! やっぱアンタべっぴんさんだよー!」  拍手をしながらぴょんぴょんと跳ねて、着替え終わった私を喜んでみている。  良かった。デザインした甲斐があったなぁ。 「あ、そうだ! 後ろ向いて!」 「へ?」  言われるがまま後ろを向く。  ふと、首に何かをかけられ、髪の毛を通して『カチンッ』という何かがはまる音を耳で聞く。 「……あの、これは?」  十字架のペンダントだ。なんだか黒々しくて、厨二病感擽られるね……。 「それはここにいるための証のようなもの! アタシ達の間では『天界の切符』って言われてるんだい!」 「天界の……切符?」 「いぇす! そのペンダントがあればほかの天界にも行けるし、なんなら地上にだって行けるんだい!」 「え、地上に?」  そりゃ凄い。とりあえずここが地球外だって言うことは分かっているし、行くつもりもないけど。 「あ、それとそれと、天界の役所に行って十字架のピンを貰ってくること!」 「十字架のピン?」 「そ! アタシの髪の毛についてるでしょー?」  見えやすいようにとロウチャさんはわざわざ身を屈めてくれた。  確かに、黒の髪の毛には十字架の白いピンがついている。 「この二セットがないと天界には居られないから、早めに貰っておくといいよ! 無くした時も再発行してもらえるから大丈夫!」 「なるほど……その、ペンダントとピンをつけなかったらどうなるんですか?」 「もちろん天界にはいられないし、そもそも天使としての役職が発揮できないんだい」 「役職?」 「そ! ここに来たら持つ、天使個人個人にランダムで与えられる役職! アタシだったら服作りの役職なんだい! ノアにもあるはずだけど、アタシじゃ分からんから、それは役所に行ったら分かるんだい!」 「なるほど……」  自分には一体どんな役職があるんだろう。  判明してないなら、早く役所とやらに行って聞いてみたいなぁ~。  なんて考えていると、もう遅いから泊まりなとロウチャさんが言ってくれたので、お言葉に甘えて今日は泊まることにした。  まぁ、さすがに何日もお世話になる訳にはいかないから、明日になったら出ていくけどね。 「よーし! 雅ことウリエルよ、何が食べたい! このロウチャが振舞ってあげよう!」 「ホントですか! じゃあじゃあ……!」
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