お勤めご苦労、私の人生

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お勤めご苦労、私の人生

 私の自己紹介をしよう。  │天道(てんどう)ノア。年は十六歳。性別はれっきとした女の子。  趣味は漫画を見ること。得意な教科は社会全般。  ……なんだけど、私の専門は歴史や地理ではなくて、キリスト教とか、神話とか、そういう系。  神話と言っても色々あるけど、私はやっぱりキリシタンの天使様が大好き。  史実を全部覚えて、社会の先生と普通に張り合えるほどの知識は備わっているのだ。  あの、よく天童よ○みさんと漢字を間違えられるんですけども、天童じゃなくて天「道」ですからね! 覚えといてね!  ほんでもって私には悩みが一つ。  それは身長が百七十五センチあること。  いや、十六歳にして百七十五センチだよ? ありえなくない?  そんなこんなで身長コンプレックスです。はい。  さて現実に戻ります。  単刀直入に言いますと、私わたくし天道雅は先程車に轢かれた所存です。  私は確かに信号が青になってから渡ったはずなのです。それなのに突っ込んできた大型トラック、理不尽すぎて草も生えませんよほんと。ドライバーなにしてんの?  全身の痛みが酷すぎて考えるどころじゃないのではって? 甘いね、私は過去に一度だけ交通事故で吹っ飛ばされている。  痛みなんて慣れっこだよ。頭から血を流してたって、普通にむっくり起き上がって救急車呼んでなんて言うくらいの鉄人なんですからね!  ただ今回のは違う。  当たり所が悪すぎて身体が変な方向に曲がったまま動けない。  いやぁ参った、どうしよう。死ぬ予感しかしないわぁこれ。  あ、意識も薄れてきた。視界に見えるトラックがだんだんと掠れてきた。なにやらすごい騒ぎごとになっているけど、もはや私の耳には聞こえねぇや……。  次に生まれ変わるなら……身長低すぎる方がいいな…………。  そう思いながら目を閉じた。  奇しくもその日は、私の高校の入学式であった。
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