深まる謎
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深まる謎

色々な事があった後の数日間は何事もなく過ぎて行った。 ──けれど異変はある日突然やって来た 「……」 私は手元に置かれている本をぼんやりと眺めていた。 書庫室の司書から手渡された読めない本がどうにも気になってしまってより詳しい事を訊こうとした矢先、私に本を渡した司書のバロッサが体調を崩したという理由で長年勤めていた司書を辞していたのだ。 いつの間にかバロッサよりも歳若い男性が後任司書として其の席に座していた。 (どうして…いきなり) 確かにバロッサは初老で仕事をするには大変な歳であると思っていたけれど、私が知る限り体調の不調を訴えた事もなければ寝込んで仕事を休んだ事なども一度もなかったから今回の突然の辞職には納得が行かなかった。 (タイミングが…余りにも急すぎて) 何故か私に手渡したこの本とバロッサの辞職が何か関係しているのではないかと勘繰ってしまうのだった。