博愛主義者

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博愛主義者

あの輝かしい日から時は瞬く間に過ぎ、父が想いの丈を込めてつけた【アメリア】という名に相応しくちいさな姫君は神に愛されるように健やかに成長して行った── 「はい、姫様大変結構でございます」 「……」 「では本日のお勉強は此処までに致しましょう」 「……先生、ありがとうございました」 丁寧にお辞儀をして勉強部屋を出て行くアメリアを初老の帝王学教授は目を細めて見送った。 アメリアと入れ替わるように部屋の扉がノックされ、いつもの如く娘の動向を常に心配する父・バルダーニが入って来た。 「おお、これはバルダーニ王」 「ジョバン教授、娘は如何なものかな」 「いつも通りよく学ばれて吸収されておりました」 「そうか」 愛おしい娘をただただ可愛がりたいという父親としての気持ちが溢れている一方で、現国王として次期国王の継承権を与えた責任も重く圧し掛かり、一日の大半を国王となるべく勉強に費やしている娘の現状に申し訳なさをバルダーニは感じていた。
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