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第1章 出会い
高校1年生の春。
これからの生活に胸を高鳴らせているやつもいれば、不安で落ち潰されそうになっているやつもいる。
俺はどちらかというと後者である。周りから目立たないように、平穏な高校生活を送りたい。ただそれだけを願って、地元から片道1時間という少し遠くの高校に通うことにした。
中学の頃は、噛み跡ができてからというもの周りから冷たい目で見られるようになった。
「この歳で番をつくるなんて」とか、「番の相手が分からない」、「そんなやつだとは思わなかった」とか噂の内容はいろいろあったものの1人を除いては俺に話しかけて来るのをやめた。
そう1人を除いて…
「かーなーでー!!おーい!聞いてるー?」
幼馴染のこいつ、北条 航を除いては
「うるさい、聞いてる。てか、なんでお前までこの学校に進学してるんだよ!」
「奏がここに進学するって俺のお母さんと奏のお母さんが話してたの聞いたんだー奏あるところに、俺あり!ってな!!」
「意味わからない。しかも、同じクラスだし…」
「これはもしや…運命…」
「いい加減にしろ…」
俺は力の抜けた声で返事をした。
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