序章 始まり

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序章 始まり

「んんっ」 自分でも聞いたことない声が自分の口からこぼれた… 突然の出来事で何が起こっているのか分からなかった。ただ、快楽だけが体を支配していて、考えることも出来なかった。 運命なんて信じてなかったのに… ________                                        春になり高校の入学式の日になった。 俺、水瀬 奏もこの春から高校1年生になる… この世界にはα、β、Ωという第2の性というものがある。 αは支配階級であり、身体機能・知能が高くなりやすいエリート体質。βは1番数が多く、いわゆる普通の人間ってやつだ。 そして、俺はΩ。 Ωは下位層である。いわば役立たず。それに加えて、約3ヶ月に1度発情期というものがやってくる。Ωとαには番(つがい)というものが存在する。番をつくることによって発情期のフェロモンは番のαにしか効かなくなる。 俺にも運命の番がいることにはいる…誰だか分からないけど… 中学生の頃、帰宅途中に初めての発情期になった。人通りが少ない田舎だったため少し油断していた。 たった1人の男に会うまでは… すれ違った瞬間抗えないほどのこのαが欲しいという欲求が溢れ出した。頭がクラクラするほど甘い匂いがして、全身の力が抜けるほどだった。 そのあとのことはよく覚えていない。 快楽だけが体を支配し、気がついた頃には体は綺麗になって、服も着せられ、首には噛み跡が残されていた_______
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