第二章 邂逅 野々花 かすみ

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かすみの言った一言「本当は もう少し二人が大人になるまではこうならないつもりだったんだけど」の言葉が 頭の中を巡っていて 布団から出た時に漂った 甘酸っぱい香りに かすみの目映いばかりの白い裸身が浮かんでは 自分自身が なんか滅茶苦茶 不純なものになってしまったのではなど とりとめもなく 思いつつ 履歴書用に 写真を街中の写真館に 撮影しに行きました それが できるまでの時間 近くの神社では 出店が そして しゃんしゃんしゃんの手拍子 その日は 三の酉 酉の市が開かれていて 雑踏の中を 境内さ迷い 写真館に戻った時 気がついた 成人式の和服姿の美女の写真 「えっ かすみ?」 そうです 野々花 かすみらしき人物の着物姿が飾られていました 「馬鹿な? えっ彼女は実在するのか?」と一瞬思うも かすみのモデル(?)について 思い出すことに 中学高校と同級生で 片想いしていた女子 Cさん 写真屋のおじさんに「この女性綺麗ですねえ 成人式の写真」と言えば さもありなんとばかりに 「そうだね おそらく君と同い年じゃないかな 綺麗な子だったね。好評なんで まだ使わせてもらってるよ」とか そのときは 納得した気がしていたのですが 家に帰って 卒業アルバムをひっくり返しそうて 確認作業すれば 「いや 違う 似てはいるが 別人だ Cさんは薄い茶色い髪をしていたし あの写真は まさに漆黒を思わす黒髪だった そして 昨夜会ったかすみも黒髪。。。」
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