第二章 邂逅 野々花 かすみ

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そして 時は流れて 十年ほど かすみに会うこともなく なんとか 自分が志望していた業界にて  某予備校職員となり 数年間 働いては  結婚を意識した女性とも知り合い 順風満帆に進んでいた頃 再び  私を襲った出来事 当時 付き合っていた娘 准看護婦(当時はまだ看護師でなかった) 彼女が 正式な看護師さんになるため勉強したいと受け入れて 交際を中断していた時 数ヵ月で状況代わりました 彼女から「新たな職場で優しくしてくれる人ができたから」と 一方的に失恋 その頃 職場でも飲み会とかよくあり 酒も結構飲むようになっていたのが災いして  仕事終わっては 近くのショットバーで飲んでは潰れるまで 飲み続けの日々を 「だってお前勉強するために会わないってことにしたんじゃないかぁ?」と自暴自棄に陥って そんな日々を過ごしていた頃 仕事帰り 夕方 「また飲みに行くか」と繁華街に向かおうとした矢先 急に懐かしくもある あの香りが  目の前に 野々花 かすみ出現「お前 何やってんだよぉ 酒なんか飲んだって解決しないぞぉ」と叱られて すぐ近くの喫茶店へ こちらは 30手前のおっさんと化しているのに 目の前のかすみは あの時同様 二十歳そこそこにしか見えず 「あのぉ。かすみは全然変わらないなぁ」 「ったくぅ そう言う○はまた太ったんじゃないの?」 「かすみはまだ公務員?」 「あたしは今は営業の仕事 っつうか よかったじゃない ○がやりたかった仕事やれててさ 」 「でまた 失恋かぃ ○は優しすぎる っつうか 利用されてるだけじゃん もっと女性を見る目を持たねば」 「ええ なんでわかるんだよ?」 「何を言ってる 君のことはなんでも知ってるぞ 一度愛しあったなかじゃないか」 「あれは夢だったのでは??」
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