1人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうか・・・」
「本当、怖いの」
「わかった。じゃあ、西川の家に今日から泊まり込むよ!」
「響くん、何言ってんのよ!」
輝海はそう言うと白い顔を赤らめた。
響も深く考えずに言っていたので、輝海のリアクションを前に恥ずかしくなった。
―でもどうする・・・。西川の両親に説明したところで、きっと警察に言って、でも何の進展もなく、なんだかんだで話はややこしくなることは間違いない。そうなると、やはり家の近くで張り込むしかないか・・・。
「あっ、そうだ、響くん、あと、何か最近夜中に外から金属で金属を叩く音みたいのがカンカンカンって聞こえるんだ。鉄パイプ同士をぶつける様な。気になってあまり眠れないの」
「カンカンカン・・・」
その瞬間、響は何者かに昔殺された自分の母が話をしていたのを思い出した。響はその時「神経質なんだよ」と適当に母を宥めていた。
―もしもあれと同じで、その音と母ちゃんが殺されたことが結びつくなら、もっと真剣に取り合うべきだった。勿論、後悔しても仕方がないけれど・・・。もう二度と同じ悪夢を繰り返さないためにも、絶対に西川を守らなくては。
ー愛する人を守りたい。
ー大切な人を助けたい。
響は心から真剣にそう思った。
最初のコメントを投稿しよう!